2018/08/17 15:08

「界面活性剤はお肌に悪い!!」

と間違えた認識を持たれた方が多いと思いますが、全ての界面活性剤がお肌に悪いわけではありません。


例えば、マヨネーズやアイスクリーム、マーガリンなどにも界面活性剤が使用されていますが、問題視されることはありません。

なぜかと言うと、これらの製品は「卵黄」を界面活性剤として使用されているからです。


また、石鹸も界面活性剤です。本当の石鹸と呼べるのは、天然の油脂からできたものだけです。(その他の石鹸は美容成分、香料、防腐剤など何らかの成分を配合しています。
特に洗顔ジェル、液体系洗顔料の多くは石油系合成界面活性剤が入っています。)
このように天然由来の成分で作られた界面活性剤は必要以上に恐れる必要はないでしょう。



問題なのは、石油系の合成界面活性剤です。石油系合成界面活性剤の性質は、


·         「高い毒性」…たんぱく質を破壊します。それはつまり、アトピーや手荒れ、かぶれや湿疹の原因となって人体に影響を及ぼします。また、石油系界面活性剤は体内に入ると、肝臓でも分解することができず、肝臓の細胞を破壊してしまいます。このため、肝臓障害や発がんの補助をしてしまうとも言われています。

·         「高い浸透性」…人間の皮膚は、有害な物質から守られるように皮脂膜で覆われていますが、石油系界面活性剤は、その皮脂膜を破って体内に侵入し、血液中まで染み込んでいくのです。

·         「高い残留性」…残留性が高く、通常のすすぎだけでは食器や衣服についた毒性を除去することはできません。そのため、食器、衣服、家具、口や皮膚を経由して、結果的に体内に吸収されてしまうのです。

 

このような石油系界面活性剤が多く使われている理由は、大量生産でき、自然由来のものよりも安価で入手できるためです。また、国の基準が定かでないため、メーカー側にとっては法律の規制がなく生産できてしまうことも理由のひとつです。

 

 

 

健康な肌の方

 

健康な肌の方は、石油系合成界面活性剤の入った化粧品や洗顔料を使っているけどお肌の調子がいい…  化粧品もすごくなじんで使いやすい…など、今は問題がないと思います。しかし、石油系合成界面活性剤はじわじわと角質層を壊してしまいます。

お肌のバリア機能に影響がだんだんと出てきます。


石油系合成界面活性剤の力はタンパク質を溶かします。お肌の表面にある角質細胞を少しずつ溶かしてしまうということです。角質層の部分は『お肌のバリア機能』の役割があります。
水分が蒸発しないよう保湿
外部から異物が侵入しないようにブロック
外部からの刺激から守る

お肌のバリア機能が壊されると以下のような症状が・・・
水分が蒸発してしまうので肌カサカサ
神経がむき出しになるので肌ヒリヒリ
角質がボロボロなので肌のキメが粗い


今調子がいいのは、石油系合成界面活性剤の高い浸透性と残留性の作用で化粧品の成分が肌の中に浸透しやすく成分がとどまるので潤い感とかを感じやすくなるからかもしれません。

 

健康な肌の方が、最近乾燥肌になった… しわやシミが気になりだしたが年のせい…

肌荒れが気になりだした…

実は長年使い続けた石油系合成界面活性剤の影響かもしれません。影響はゆっくり、徐々にくるものなのです。

 

 

アトピーや乾燥肌、敏感肌の方の場合

 

アトピーや乾燥肌、敏感肌の方は、角質細胞や皮脂が少なくバリア機能が低下していることが多いため、肌細胞に隙間が空いて、水分を肌内に上手く閉じ込めることができずに乾燥を引き起こすのです。

デリケート肌(アトピー・乾燥肌・敏感肌)の方にとっては適度な皮脂を残すことが必要です。石油系合成界面活性剤が多く含まれた洗浄剤は洗浄力が強いため、お肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。これがお肌をさらに悪化させる原因になるのです。

 

 

天然由来の界面活性剤もお肌に残っていては、肌トラブルの原因になります。しっかり洗い流してください。石油系合成界面活性剤は洗っても落ちにくく残留しやすい性質を持っています。

 

 

石油系合成界面活性剤を見分けるには

 

残念ながら石油系合成界面活性剤は、現在200とも300ともあるといわれています。

全てを把握するのは難しいかもしれませんが、現在多く使われている石油系合成界面活性剤は下記の通りです。今お使いの化粧品や洗顔料をチェックしてみてください。

 

 スルホン酸ナトリウム
キシレンスルホン酸アンモニウム
パレスー3硫酸ナトリウム
パレスー3硫酸アンモニウム
ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)
ラウレス硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩)
ラウリル硫酸アンモニウム
ラウレス硫酸アンモニウム

 


『スルホン酸○○』、『○○硫酸』という名称があったら要注意です!

 

 

 

お肌のことを考えると、石油系合成界面活性剤は使用しないほうがいいのでは?と思いますが、しかし現実的には化粧品や洗顔料などの中に石油系合成界面活性剤が使われていないものを探すほうが困難だと思います。


できる限り天然由来の界面活性剤を使用しているものを選びましょう。また、石油系合成界面活性剤が入っている商品を使う場合も成分表はチェックしてください。(全成分の見方は、下(後に)に書いてあればあるほど、配合量は微量になります)


石油系合成界面活性剤は、化粧品や洗顔料、家庭用洗剤等にはなくてはならないものだと思います。

ですので、合成界面活性剤が配合されているものを使うことを前提に、

いかに上手に、そして配合量の少ないものを使用していくよう心がけてください。