2018/08/27 18:10

“界面活性剤と聞くと良くないもの、お肌に悪いものと連想してしまいがちですが

界面活性剤が全部悪いわけじゃありません。毒性はピンキリで、ほとんど害がない成分もあります。

では、本当に良くないのは・・・
『合成界面活性剤』と言われています。

しかし、これも正確にいうと間違いです。合成界面活性剤が全部悪いわけじゃありません。

本当に良くないのは・・・『石油系合成界面活性剤』です。

 

 

界面活性剤の種類はその分け方によって様々な分類ができます。

 

【イオン性で分ける】

水に溶かしたときに電離してイオン(電荷をもつ原子又は原子団)となるイオン性界面活性剤と、イオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤に大きく分類されます。イオン性界面活性剤はさらに、陰イオン(アニオン)界面活性剤、陽イオン(カチオン)界面活性剤および両性界面活性剤に分類されます。

イオン性による分類に加えて、親水基や疎水基の種類や原料によってさらに細かく分類されます。


陰イオン(アニオン)界面活性剤
非イオン界面活性剤
両性界面活性剤
陽イオン(カチオン)界面活性剤

 

*学術的な説明になりますのでここでは省かせていただきます。

 

【原料で分ける】

天然系の原料は、まず天然物であるサポニンやリン脂質、ペプチドなどのようにもともと自然界の中に存在するものを言います。私達の生活に最も身近なものと言えば、レシチンです。レシチンには大豆に含まれる「大豆レシチン」、卵黄に含まれる「卵黄レシチン」などがあり、食品の乳化剤として古くから使われています。
例えば、油を含むマヨネーズが材料に均一に混ざっているのは卵黄レシチンが作用しているからです。
牛乳などの乳製品に含まれるたんぱく質の一種、「ガゼイン」も天然の界面活性剤として働きます。牛乳はそれ自体が水分と乳脂肪分を混ぜた状態のものなので、それらを乳化させているのがガゼインなのです。

また、ヘチマの茎や抹茶などの植物やヒトデ、ナマコといった生物に含まれている成分、「サポニン」も天然由来の界面活性剤です。サポニンを含む植物は、昔から石けん代わりとして使われていました。

石鹸も天然系です。代表的な界面活性剤に、ココナッツオイルやヤシ油から作られる「ラウリン酸Na」があります。

脂肪酸エステル系

代表的な界面活性剤は、刺激が少なく古くから使われている「ショ糖脂肪酸エステル」、表示名は「ラウリン酸スクロース」「ミリスチン酸スクロース」などと書かれています。

アミノ酸系

代表的な界面活性剤は、ヤシ油からつくられるアシルグルタミン酸です。成分表記の部分において、水の次(または5番目以内くらい)に「ココイル…」「ラウロイル…」と書かれているものはアミノ酸系界面活性剤になります。

高級アルコール系

製法によって脂肪酸から作る天然系と石油から作る石油系の2つに分けられます。「ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩」(成分表記では「ラウレス硫酸Na」)などがあります。

 

石油から作られたものが石油系です。成分表記の部分において、水の次(または5番目以内くらい)に「ラウレス硫酸…」「ラウリル硫酸…」といった表記がある場合は石油系界面活性剤です。高い洗浄力があり、安価で大量生産できますが

人体への影響や、環境への影響が懸念されています。


天然系…「レシチン」「カゼイン」「サポニン」

石鹸 脂肪酸エステル系 アミノ酸系 高級アルコール系の一部
石油系…「ラウレス硫酸…」「ラウリル硫酸…」他多数

 

 

【処理方法で分ける】

天然界面活性剤は、天然物の「レシチン」「カゼイン」「サポニン」などのように、もともと自然界の中に存在するものを言います。

 

天然物質として自然界に存在してきた天然界面活性剤と違い、合成界面活性剤は人の手で科学的に合成して作られた界面活性剤です。
天然の素材をそのまま活用する天然界面活性剤とは違って、合成界面活性剤は人の手で改良が加えられているため、洗浄などの効果が高いものが多くあります。

合成界面活性剤は原料によって石鹸系、脂肪酸エステル系、アミノ酸系、高級アルコール系、石油系などに分けられます。
ラウリン酸Na(ココナッツオイルやヤシ油に主に含まれるもの)などの「石鹸系」、ショ糖脂肪酸エステル(糖の一種であるショ糖と、食用油脂を分解して得られるもの)などの「脂肪酸エステル系」、アシルグルタミン酸(ヤシ油から精製されたもの)をはじめとする「アミノ酸系」、はその原料が天然由来であることから「天然系合成界面活性剤」と呼ばれます。
一方、ラウリル硫酸Naやポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの高級アルコール系、α-オレフィンスルフォン酸Naなどの石油系は「石油系合成界面活性剤」と呼ばれています。
天然系合成界面活性剤に比べて、石油系合成界面活性剤は比較的安く大量生産できて、高い洗浄力を実現できることから、洗剤やシャンプーなどの生活用品の原料に使用されています。
一部では人体への影響が問題視されています。

 

天然界面活性剤…「レシチン」「カゼイン」「サポニン」
合成界面活性剤…天然系合成界面活性剤 石油系合成界面活性剤

 

 

現在、世の中に存在する合成界面活性剤は数千種にも上ると言われています。
そのため、界面活性剤は原料、製法などにより効果や人体、環境への影響はさまざまです。
私達の生活に欠かせない界面活性剤は、正しい知識を持って選択をすることが大切になります。