2019/01/27 12:12

・乾燥肌は、なぜかゆいのか?

 

かゆみの仕組み

かゆみが起こる原因の全貌は明らかになっていません。しかし、肥満細胞から分泌されるヒスタミンがかゆみを引き起こしている事が分かっています。

かゆみは神経線維が刺激されることによって起こります。神経線維が刺激されると、神経が興奮して、その刺激が大脳に行って、かゆみが発生します。

 

乾燥肌のかゆみ

健康な肌は、表皮と真皮の境界のところで神経線維が終わるのですが、乾燥肌になると、神経線維が通常よりも皮膚表面の近くまで伸びてきているため、外からの刺激に反応しやすく、その刺激はじかに脳に 「かゆみ」として伝わってしまいます。 つまり、乾燥肌の皮膚では、角質層は隙間だらけになっており、異物が次々侵入してくるので、表皮の角質層の直下まで伸びてきた神経が、衣類や洗浄剤、化粧品、気温の上昇などの外からの刺激で容易に興奮し、それが大脳皮質に伝わって、かゆみが発生するのです。

 

 

乾燥肌のかゆみの原因

乾燥肌は、お肌の表面を覆う皮脂や、セラミドをはじめとする角質細胞間脂質などが減少し、お肌内部の水分含有量が低下した状態です。

お肌には外部から自分自身を守る“バリア機能”が備わっています。このバリア機能の役割を果たしているのが、皮脂膜です。汗と皮脂でできた天然の保湿剤である皮脂膜が肌表面を覆うことで“バリア機能”が働き、外部のさまざまな刺激からお肌を守っています。乾燥肌は、お肌のバリア機能が衰えている状態で、ここに外部からの刺激が加わるとかゆみが生じます。

無防備なお肌には、髪の毛や衣服が触れる程度の軽い接触、使い慣れた化粧品なども大きな刺激になります。乾燥により、通常は弱酸性に保たれている皮膚のpHがアルカリ性に傾き、細菌が増殖しやすくなることも、かゆみが生じる原因の一つと言われています。

 

また、かゆみの原因の一つは加齢です。年齢とともに血液の循環が悪くなり、皮膚の新陳代謝の機能が衰えてくると、皮膚が乾燥に傾いてかゆくなることが少なくありません。

歳をとるとお肌の皮脂や天然保湿因子、細胞間脂質が減少するため、お肌が乾燥しやすくなります。同時に、お肌の新陳代謝が低下することで、ターンオーバー(皮膚細胞の生まれ変わり、細胞の新陳代謝。皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」から成り、さらに表皮は一番内側から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」と4層構造になっています。基底層で生まれた細胞は形を変えながら表面に押し上げられていき、無核となり死んだ状態で角化細胞となりますが、この細胞は新しい細胞に押し上げられるようにして表面まで上がり、最後はアカとなって自然にはがれ落ちる構造となっています。このサイクルがターンオーバーです。)のサイクルが遅くなり、古く乾燥した角質が肌表面に溜まっていきます。乾燥し分厚く重なった角質は、柔軟性を失い剥離しやすくなるため(粉をふいたようになる)、そこから外部の刺激やアレルゲン物質が侵入し易くなり、炎症が生じることで、かゆみが現れます。

 

入浴でシャワーを浴びたり、お湯につかったりすると、肌が潤っているような気分になります。ところが実際には、最もお肌を傷めやすいのです。例えば、40℃以上の熱いお湯につかっていませんか? 熱いお湯につかるといった生活習慣によっても悪化します。お湯の温度が高いと、お肌から皮脂がうばわれ、乾燥しやすくなります。ぬるめのお湯で20~30分間の半身浴がおススメです。ゆっくりと時間をかけて汗をかきましょう。血行が促進され、皮膚の細胞代謝を良くすることで、デリケートなお肌の改善にも効果を期待できます。

 

 

食生活も関係します。極端なダイエットや偏食、バランスの悪い食生活、欧米型の食生活が原因で乾燥肌になる人が増えています。

ビタミン類を豊富にとることが大切です。ビタミン類には肌の代謝を促進し、潤いを保つ働きがあります。
とくにビタミンACは、その効果が高い栄養素です。また、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるほか、シミやシワを防ぐ抗酸化作用もあります。

<多くとりたい食べ物>
ビタミンA :レバー、ウナギ、ニンジンやカボチャなど緑黄色野菜
ビタミンE :ナッツ類、植物油、アボカド、カブやダイコンの葉など
ビタミンC:キウイ、イチゴ、赤・黄ピーマン、サツマイモ、芽キャベツなど

 

 

 

 

その他、睡眠不足やストレス、衣類や暖房器具など原因は多岐にわたります。

暖房器具を使う際は加湿器を併用したり、服は締め付け感のない天然素材を選んだり、爪は短く切り、かかないよう努める…といったこまめなケアを日常的に取り入れていくことが大切です。

 

 

 

皮膚の乾燥が原因でかゆくなる場合は、水分蒸発を防ぐために油分を補うことが大切です。
皮膚に油分を補うことで、かゆみをやわらげることができる場合があります。

お肌を乾燥した状態で放置しておくと、急速に老化が進みます。
特にシワに乾燥は大敵です。かゆみも増します。

乾燥対策をきちんとおこなってください。ポイントは「保湿」です。洗顔後に適度な油分できちんと蓋をすることが大切です。